2010/11/02 (更新日:2010/11/02)
エコドライブ 周りにも好影響 車群全体でCO2削減効果
11月2日
制限速度を守り、急加速をしない「エコドライブ」の車があると、周りの車にもエコ効果が波及して、車の群れ全体に二酸化炭素(CO2)の大きな削減効果が 生まれるとする研究成果を、国立環境研究所(茨城県つくば市)が1日発表した。エコドライブ自体にCO2の削減効果がある半面、全体として交通の流れを乱 して排出量を増やすとの懸念があったが、それを覆した形だ。【安味伸一】
「渋滞の原因をつくるのでは」「他の車に抜かれるのが怖い」との思いから、エコドライブをためらうドライバーもいるとされる。このため、環境研の研究班 がエコドライブによる車群の流れへの影響を実際の道路や仮想の道路をもとに、コンピューターで小型車1台ずつの1秒ごとの速度や加速度の変化を追跡して検 証した。
信号が500メートル間隔で並ぶ道路で1時間に600台走ったパターンでは、仮に全車両がエコドライブをしなかった時の1キロ走行時のCO2排出量は平均で148.6グラムになると試算。
この車群にエコドライブ車が40%入った場合、単純計算では5.3%の削減となるが、実際にはエコドライブ車が先頭となる車群が形成されて全体の速度が落ちるなどして排出量が133.5グラムに下がり、削減効果は10.2%と2倍に拡大した。
ただし、信号制御が連動しなかったり、信号が多く混雑する区間では効果が小さくなるという。研究班の加藤秀樹さんは「エコドライブを意図しないドライバーにも効果が波及する。多くの人が実施すると大きな効果が上がる」と話している。